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佐藤 千之助; 奥 達雄; 柚原 俊一
材料, 17(178), p.610 - 616, 1968/00
溶接部を含む鉄鋼のぜい性破壊の問題は、その安全性に関与する種々の要因が取り上げられ、多くの試験研究が行なわれてきた。鉄鋼板に溶接を施した場合、最高温度がA変態点以上に加熱され、複雑な組織変化を起こす熱影響部やその外側の組織変化は少ないがじん性の著しく低下するぜい化領域が存在することなどはよく知られた事がらである。ぜい化の測定は実用上、シャルピー・Vノッチ衝撃試験などによるいわゆるNDT温度(Nil ductility transition temperature)、すなわちこれ以下の温度でほとんど塑性変形なしに降伏応力以下の低応力で、ぜい性的に破壊が伝ぱする温度がその指標として取り上げられる。